日記・繭の記憶/Cocoon Memories

アーティスト荒木珠奈の2018年夏予定の展覧会(インプリントまちだ@町田市国際版画美術館)にむけて、蚕を飼ったり、制作準備等の記録です。

かいこ飼育日記(6日目)

画像に含まれている可能性があるもの:植物、屋外、自然

8/28 '17(6日目)今朝、脱皮したのかどうか観察したけど、皮が見つけられずがっかりしていたけれど、午後になって皮らしきものを沢山みつけました。今朝は、元気に桑をたべていて明らかに昨夜と様子が違ったのでした。やはり眠と脱皮をへて、2令になったようです。 写真の真ん中の小さい子は、今夜あたりに脱皮する蚕。体の色が、光っているように見え動きが止まっています。

古事記に蚕が出てくると今日知りました。
スサノオが八つ裂きにしたオオゲツヒメの体の、頭から蚕、目から稲、耳から粟、鼻から小豆、陰部から麦、尻から大豆が生まれたそうです。 

⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎

かいこ飼育日記(5日目)

 

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8/27 '17(5日目)かいこは繭を作るまでに4回も脱皮します。孵化から4日で、最初の眠に入り脱皮をするようです。確かに体が白くなってきて、桑を食べなくなり、動かなくなってきました。脱皮が終わるまでは、1日かかるそうです。孵化が2日遅れたかいこもいるので、その子達はまだ元気に動いています。大きい子達は、明日の朝には脱皮しているでしょうか。

⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎

かいこ飼育日記(4日目)

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8/26 '17かいこ飼育日記  

(4日目)日本から送ってもらった際に入っていた封筒。「第四種蚕種」というハンコが押してありました。日本の実家からアメリカまではEMSで海を越えてやってきました。国際郵便で虫の卵を送るのは、違法ではと思っていたので「内容物に、蚕の卵とは絶対に書かないで」と頼んでいましたが… 実際、郵便局のサイトで調べたところ、なんと蚕は国際郵便で送れる事になってました。
「みつばち、水ひるおよび蚕
害虫の寄生虫および捕食虫であって、害虫駆除の用に供し、かつ、公認の施設の間で交換するもの」
以上は、送れる生き物です。
気になる「水ひる」はwikipediaを読んだところ、外科医療用なのでしょうか。
ちなみに蚕の卵は、植物の種に似てることから「蚕種」と呼ばれるのだそう。

仕事場の同僚の中国人Yuyuに、蚕を飼い始めた事を話すと「アメリカでは買えないの?」と早速ググり。売ってました。しかも、$0?
https://www.coastalsilkworms.com/
日本でしか手に入らないと思い込んでました…すみません、家族。

Yuyuは最初「家の中に虫がいるって怖いー」とか言ってたくせに、ネットを見ながら「南アフリカの蚕!? これを私が買うから、タマナ少しもらうってどう?」
(えっ 本気?)
少ししたら「あー私、一週間後にキューバ行くんだった。だからダメね」なんて、言ってました。笑

⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎

かいこ飼育日記(3日目)

 

 

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8/25 '17(3日目)かいこは、上へ上へといく習性があるそうですが、乾燥で葉が縮れるせいか、一番上よりも2枚目の葉の上や裏にいることが多いようです。体が少し大きくグレーになってきてきました。朝、蓋をあけると独特の懐かしい匂いがします。小学校の時に飼ったことを思い出します。最後の卵も孵化しました!

⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎

かいこ飼育日記(2日目)

8/24 '17(2日目)朝6時半、昨日あげた桑の葉はかなり乾燥して、縮れています。昨夜採ってきて、水をくぐらせておいた新鮮な葉に取り替えました。容器もタッパーウェアに替えました。段ボールだと、乾燥しすぎるようです。(気温20度、湿度65%)砂粒大のフンも出てます。

卵の入れ物に新しい葉と、湿らせたキッチンペーパーを入れて、ラップで軽く蓋をする。孵化には湿気が必要なのだそうで、葉をかぶせた時点で、数分後に2個孵化したのでびっくりした。キッチンペーパーと蓋をした後は、桑の葉のお布団の下で合計9匹も孵化した。孵化率100%になるのか。孵化しない卵もあるのでは無いかと予想していただけに、驚きです。

⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎

 

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かいこ飼育日記(1日目)

⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎

町田市の「養蚕の記憶」に取材した、荒木珠奈の個展が開催予定です。

このブログは「インプリントまちだ展2018」へ向けて、荒木珠奈が蚕を飼った記録、養蚕や、制作に関する記事等を書いていきます。よろしくお願いします!

 

かいこ飼育日記 

(1日目)8月23日、日本から蚕の卵届く!孵化予定日が日本の24日だったので、ギリギリ… 昨日も暑かったし、すでに孵化してしまっているんじゃないか…と心配しながら封筒を開けると、プラスチックケースの中に白い封筒が。
封筒の紙を透かして、小さな黒いケゴ達の影が見える!あ〜生まれてしまってる!! 全部死んでしまってるんではないかと、恐る恐る封筒の中を覗くと、2mmほどのケゴ達が。…動いてる!!
封筒の中で、1匹も死なずに生きててくれました。(泣)
おそらく今日、孵化したのだと思います。全部で39匹。まだ孵化していないグレーの卵も、15粒ほど。(説明書によると、孵化しても2日はそのままで大丈夫なんだそうです) 
慌てて、息子と歩いて2ブロックの所にある桑の木へ、葉っぱを取りに行きました。葉っぱに乗せると、すぐに食べ始めました。まだ葉っぱを食べた跡は光にすかして、やっと見えるくらいに小さいです。フルーツが入っていた浅い段ボールの箱を、お家にしました。段ボールで蓋をして。
まだ生まれていない卵達は、別紙で小さな箱を作り、入れました。葉っぱをあげたりしているうちに、2匹ほど卵から生まれてきました。お尻に卵のカラをつけたまま、桑の葉に向かっていく姿が可愛らしいし、本能ってすごいなと思います。

⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定

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