日記・繭の記憶/Cocoon Memories

アーティスト荒木珠奈の2018年夏予定の展覧会(インプリントまちだ@町田市国際版画美術館)にむけて、蚕を飼ったり、制作準備等の記録です。

八王子長田養蚕におじゃましました。

7月のまだ梅雨の頃、八王子市で養蚕農家を営む、長田養蚕へ念願かなっておじゃまさせて頂きました。 長田養蚕には、町田市立国際版画美術館での、インプリント町田2018 荒木珠奈ー記憶の繭を紡ぐー展で、ご協力頂きました。蚕がくわの葉を食べている音をイ…

「町田市ゆかりの美術家たち」和光大学のウェブサイトで紹介されました

home.wako.ac.jp 町田市にある和光大学。大学のウェブサイト内、「町田市ゆかりの美術家たち」で ご紹介いただいています。 筆者は以前より作品を観ていただいてた、池上ちかこさんです。 ありがとうございました!

真綿とクリスマスのニューヨーク

町田市立国際版画美術館でのインプリントまちだ2018展の間、(まちサポ)という近隣在住のボランティアさん達に、作品の監視で大変お世話になりました。 そのボランティアさん達と、会場でお話しさせていただく機会がありました。 「作者です、どうぞよろし…

版画芸術と、学芸員トーク(8/18・土)

版画芸術180号のフォーカス・アイに掲載していただいています。 版画作品の画像12点と、2012年のインスタレーション作品「見えない」の画像と、テキストで6ページにわたり掲載されています。 「生(き)の感覚、生(せい)のマチエール」と題した原稿を書い…

”記憶の繭(まゆ)をつくる” ワークショップ 町田市立第三小学校編

7月4日に町田市立第三小学校にて、”記憶の繭(まゆ)をつくる” ワークショップ をしました。参加してくれたのは3年生の54人、2学期に蚕を育てた学年です。 まずは、画像を見せながら、ニューヨークで蚕を育てた事や、私の過去の作品についてお話ししまし…

蚕と昔話

[7/25・水] 美術館でおはなし会―絵本と語りの時間 @町田市立国際版画美術館 蚕にまつわる昔話、伝説を選んで読み聞かせと紙芝居の両方でしてくれるそうです! 「おはなし はすの実」の方々とご挨拶しましたが、私も初めて聞く昔話や、地元のお話を準備し…

”記憶の繭(まゆ)をつくる” プレワークショップご報告

インプリントまちだ展2018の関連企画で、3/30にプレ・ワークショップを開催しました。 「記憶の繭(まゆ)をつくる」 2018年3月30日(金)午後1:30~4:00 町田市国際版画美術館講堂 「絹糸を吐き出し繭をつくる蚕にならって、思い出のつまった繭を作り…

インプリントまちだ展2018 プレ・ワークショップ参加者募集

インプリントまちだ展2018の関連企画で、プレ・ワークショップを開催します。 「記憶の繭(まゆ)をつくる」 2018年3月30日(金)午後1:30~4:00 町田市国際版画美術館講堂 絹糸を吐き出し繭をつくる蚕にならって、思い出のつまった繭を作ります。 自…

繭玉飾り、(ひとり)どんと焼き

小正月の頃、日本の様々な地方で繭玉飾りがつくられます。養蚕が盛んだった時代には 、豊蚕を祈ってつくられたそうです。 現在ではそのお餅を焼いて食べると無病息災といわれ、去年のだるまさんやお札などを焼く、どんと焼きの火であぶって食べます。 私の地…

糸引き

子供と私が年末の休みに入った頃、蚕の繭から糸を引いてみました。 糸引きに使う繭は、蛾が羽化する前に冷凍庫にいれておきました。蛾が羽化をして、繭に穴を開けてしまうと、その繭からは糸引きができないそうなのです。 夏にうちから蚕を分けて、同時期に…

達磨さんとお蚕さん

お正月が近いので、縁起物のことを。 画像「だるまで巡るニッポン」より 武蔵野美術大学 美術館・図書館発行 私は数年前から「達磨」が好きで、だるま市が開かれる飯能、立川、調布、葛飾などを巡ったりしてきました。アメリカに住んでいる今も、この季節に…

そもそも、なぜ蚕?

そもそも…の話。 蚕を飼うことも、このブログも町田市国際版画美術館での展覧会「インプリントまちだ展」(2018年夏開催予定)に向けてのプロジェクトです。 なぜ、町田市での展覧会で蚕なのか… 4年連続企画のインプリントまちだ展。町田市に取材した新作を…

白い絹糸を黒で

1頭の蚕の吐く糸の長さは、1300m~1500mです。絹糸の断面は三角形をしており、プリズムのように光を乱反射します。美しい光沢はここからきています。また衣服にした場合、夏に涼しく、冬に暖かいという特性もあります。 かいこが繭を作るのは、繭の中で蛹に…

かいこの卵、その後。

「まゆるん」神奈川県横浜市にあるシルク博物館のキャラクター かいこの卵ですが、うちでも10蛾ほどのメスが産みました。1蛾につき500個もの卵を産むらしいので(数えてはいない*)、約5000もの卵があることになるわけですが… この卵たちは、そのままに…

かいこ飼育日記(60日目)

10/22 '17(60日目) オスの蛾 メスの蛾 10/22 '17(60日目) 卵から孵化したての状態で届いてから、60日目。オスの蛾たちが次々と死んでいきました。メスで死んだのはまだ1蛾。蚕もメスの方が長生きなんですね… 写真の右方のオスの羽がボロボロなのは、繭から…

かいこ飼育日記(48日目)

10/9 '17(48日目)吐糸の観察のために、穴をあけてあった繭から蛾が羽化しました。他の繭からも続々と羽化し、すでに6蛾が産卵を始めています。 変化が大きいので、写真5枚です。 写真1)大きな穴がすでにあるのに、新たに穴を開けて出てきた。 写真2)…

かいこ飼育日記(46日目)

蚕の羽化 10/7 '17(46日目)金曜の朝に仕事場に到着したら、ちょうど頭が繭から出ている状態でした!すぐさま撮影。羽化するところが見れました。 羽化して数時間は、羽が濡れていて縮んでいます。 ⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画…

かいこ飼育日記(41日目)

10/4 '17(41日目)蛾が生まれました!お尻を見れば雌雄の区別はすぐつき、今回のはオスです。翌日になっても他のは生まれていないので、まだひとりだけで、じっとしています。赤茶色いものは、おしっこです。 写真の蛾のお尻の下に見えるのが、繭に開けた穴…

かいこ飼育日記(37日目)

9/29 '17(37日目)孵化した状態で郵便で届いてから、37日目。(数えなおしてみた) また繭を切り開いて、蛹を観察しています。 糸を吐き終わって3日後位のかいこです。繭の中で一回脱皮し、すっかり蛹の体になっています。脱いだ皮が体の横にあって、なん…

かいこ飼育日記(30日目)

蚕の吐糸観察 9/24 '17 (30日目)かいこは、Sや8の字を描きながら繭を作ります。「カイコの豆博士」の本にあった、吐糸の観察方法をやってみました。繭を作り始めて1日位たった繭を、かいこに傷をつけないように気をつけながら、穴を開けます。かなり緊張…

かいこ飼育日記(29日目)

9/22 '17 (29日目)40頭、全頭が繭作りに入りました。完成している繭もあります。 かいこは繭作りが始まってしばらくすると、最後のフンとおしっこをします。繭の中ではしません。えらい! 最後のおしっこは、トロミがあって見ると結構びっくりします。 す…

かいこ飼育日記(28日目)

9/21 '17 (28日目)全頭が繭を作るまぶしに移りました。昨日は、かいこと出勤。観察したかったので。中国人の同僚は「キュゥゥト」と。二人で、「仕事しないでずっと見ちゃうね」と話していました。 帰宅後は、撮影開始です。夫がセッティングと撮影してくれ…

かいこ飼育日記(27日目)

9/19 '17(27日目)いよいよ繭作り! 昨日の夕方帰宅すると、箱の端で糸を吐き始めてるかいこが2頭いました。夕飯の支度も置いといて、慌ててまぶし(繭を作る枠)を厚紙で作りました。 1頭は、まぶしの中が気に入らないらしく、外側をうろうろ。今朝見る…

かいこ飼育日記(26日目)

9/18 '17 (26日目)あと1~2日で繭作りに入るのではないか思われます。まぶし(かいこが繭を作る枠)を作らないといけません。今日の時点では、まだ糸を吐きたそうな様子は見えません。 ちょっとした実験。3~4センチ離して新しい桑を置いたら気がつくか…をし…

かいこ飼育日記(24日目)

9/16 '17(24日目)かいこ達の食欲はすごくて、ぽってりと太って、持ち重りします。体長約7.5cm。 上・日本で見付けた桑の木の写真。実が虫みたいでかわいいです。子供の時は、小学校の校庭にあった桑の実をよく食べました。アメリカでは、白い桑の実のドラ…

かいこ飼育日記(22日目)

(22日目)朝5時、かいこ達は桑を筋だけ残して食べつくしていました!かいこは5令の間に、幼虫期間中に食べる量のおよそ87〜88%を食べるんだそうです。桑不足にならないように気をつけます。 ここ数日、近所の桑の大木から葉を取ってくるようになりま…

かいこ飼育日記(19日目)

9/11 '17 (19日目)4頭を残し、全部が5令になりました。 かいこの幼虫の体。頭に見えるのは胸で、体の横にある黒い楕円形の模様が気門。片側に9個づつ、全部で18個の気門で、呼吸しているんだそうです。 眼のように見える模様は、眼状斑紋という模様で…

かいこ飼育日記(18日目)

9/10 '17(18日目)昨日、眠状態のかいこ達を観察していたら、目のように見える模様が大きいかいこが1頭いました。グレーの部分が大きいので、具合が悪いのか?と見ていたら、それは脱皮が始まったしるしでした。下と上の皮で模様がずれているので、大きく見…

かいこ飼育日記(17日目)

9/8 '17 (17日目)昨日、ケースの壁面に登り糸を吐き始めていたかいこがいたので、気になっていました。夜にはかなりの数のかいこ達が、眠に入ったようで食べていません。 他にも数頭が糸を吐いていたので、自分の脱皮の回数の数えまちがいか…と少し焦りまし…

かいこ飼育日記(14日目)

(14日目)4令になってからモリモリと食べています。 中国から日本へ伝わってきた養蚕。技術改良と開国をへて、横浜港から良質な絹糸が輸出されるようになりました。養蚕農家の多かった八王子から横浜までは、日本の「絹の道」(シルクロード)と呼ばれ、明…