糸引き
子供と私が年末の休みに入った頃、蚕の繭から糸を引いてみました。
糸引きに使う繭は、蛾が羽化する前に冷凍庫にいれておきました。蛾が羽化をして、繭に穴を開けてしまうと、その繭からは糸引きができないそうなのです。
夏にうちから蚕を分けて、同時期に育てた2家族と一緒にやりました。子供も5人いて賑やかでした。
まず、糸引きの装置を作ります。材料は、段ボール、はり金ハンガー、ペットボトル、割り箸です。装置作りは、親達で。ここ数年、夏に一緒に牛乳パック製の流しそうめんを楽しんでいる友人たちです。自分の手で作って楽しむ事が好きな人達なので、あーだこーだと改良しながら、楽しく作りました。ポイントは、人参をハンドルにつけた事です。針金のハンドルよりもオーガニックな手触り。断然持ちやすくなりました!
出来上がった頃、子供達も集まってきて糸巻きを触り、糸を引きました。
繭はお湯で5分間煮ます。繭の表面をブラシで触ると、糸口が引っかかってきます。その糸を、ペットボトルにかけて巻き取っていきます。糸を引いていくと、繭はお湯の中でコロコロと回ります。
蚕は約1500mの1本の糸で繭を作ります。細い糸なのに、なかなか切れません。美しく輝く糸が取れました。この1本の糸を取る事を「糸を引く」、繭10〜20個分撚り合わせる事を「糸を繰る」というそうです。明治期より、この作業は機械化されています。
小学生の時に、授業で蚕を飼い、その後糸引きをした事を思い出しました。宿題で、糸繰り機を作って持ってくるようにとの事で、私は父に相談して作りました。
というか、ほとんど父が考えて作りました。木の糸巻きを再利用して、針金のハンドル付きで、翌日学校に持っていくと、他の子のより断然出来がよく、親が手伝ったのは明らかな感じでした。でも結局は、糸巻きに上手く糸を巻く事ができず、芯の針金部分に巻きついてしまったりして「父の作るものはいつも凝っているけれど、あまり実用的でない…」と思ったのを覚えています。
糸繰り機の作り方は「カイコの豆博士」小泉勝夫著 を参考にしました。
⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎