かいこの卵、その後。
「まゆるん」神奈川県横浜市にあるシルク博物館のキャラクター
かいこの卵ですが、うちでも10蛾ほどのメスが産みました。1蛾につき500個もの卵を産むらしいので(数えてはいない*)、約5000もの卵があることになるわけですが…
この卵たちは、そのままにしておくと来年の1月頃に孵化します。1月だと桑がなくて困るので、10℃の冷蔵庫に保存し、翌年の桑が出てきた頃に室内に出すと10日ほどで孵化するそうです。ただ2代目のかいこは、元気に育つ率は75%、3代目になると50%だそうです。
私の周りにも、うちからあげた友人の周りにも、来年は育ててみたいから卵を頂戴!と言ってる人たちがいます。それにしても、5000個の75%だとしても3750頭?…ファームになってしまうので、考えないといけません…
メス達は大半がまだ生きています。最初の蛾の羽化から約1ヶ月もたっているのに、何も食べずに静かに生きています。
*「かいこの豆博士」(小泉勝夫 著)によると卵を数える方法は、卵が産み付けられた紙をコピーして、コピーの方の卵に1個づつサインペンで記しをつけていくか、針で穴を開けていくと良いらしいです。なるほどー。
⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎
かいこ飼育日記(60日目)
10/22 '17(60日目)
オスの蛾
メスの蛾
10/22 '17(60日目) 卵から孵化したての状態で届いてから、60日目。オスの蛾たちが次々と死んでいきました。メスで死んだのはまだ1蛾。蚕もメスの方が長生きなんですね…
写真の右方のオスの羽がボロボロなのは、繭から出るときに空間が狭かったりで苦労して、まだ濡れて柔らかい羽がボロボロになったものです。
メスは産卵後も10日程たっていますが、卵を産んだその場でじっとしています。オスもメスも、蛾になってからは飲むことも食べることもしません。卵に次の命を託した後は、静かに死んでいきます。
産卵の様子を見ていて、1個産みつけたらすぐその隣に、おおむねきっちりと、卵を重ねずきれいに産むなぁ…と見ていました。しかし1蛾だけ、無秩序に、しかも重ねて産んだりするメスがいました。その卵を見ると、何故かぞわっとします。何かが上手くいかなかったのでしょう。
孵化から50日位の間に、幼虫〜繭〜蛹〜蛾〜卵と小さい虫の中の、ダイナミックな成長と変化を見せてくれた蚕たちに感謝です。死んだ蛾たちは、家の植木鉢か公園に埋めてあげようと思います。
⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎
かいこ飼育日記(48日目)
10/9 '17(48日目)吐糸の観察のために、穴をあけてあった繭から蛾が羽化しました。他の繭からも続々と羽化し、すでに6蛾が産卵を始めています。
変化が大きいので、写真5枚です。
写真1)大きな穴がすでにあるのに、新たに穴を開けて出てきた。
写真2)繭の中にあった幼虫から脱皮した皮と、蛹から脱皮した皮。
写真3)羽化後、1時間くらい。羽は開いてきたところ。
写真4)交尾 上のお腹の大きなのがメス。交尾は数時間続く。
写真5)産卵
写真6)産み付けられて1日目の卵。まさに卵色。翌日から茶色くなっていく。
⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎
かいこ飼育日記(46日目)
10/7 '17(46日目)金曜の朝に仕事場に到着したら、ちょうど頭が繭から出ている状態でした!すぐさま撮影。羽化するところが見れました。
羽化して数時間は、羽が濡れていて縮んでいます。
⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎
かいこ飼育日記(41日目)
10/4 '17(41日目)蛾が生まれました!お尻を見れば雌雄の区別はすぐつき、今回のはオスです。翌日になっても他のは生まれていないので、まだひとりだけで、じっとしています。赤茶色いものは、おしっこです。
写真の蛾のお尻の下に見えるのが、繭に開けた穴です。蛾が繭から出る時は、口からアルカリの液を出して繭殻をしめらせ、柔らかくして、頭部で押し開けててでてきます。必ず早朝に、朝の光を感じてでてくるんだそうです。こんなに大きな穴が開いていますが、糸は全く切られていないらしいです。(でも、穴が開くと糸繰りはできない)
蛹の方は、色が濃くなり、日に日に蛾らしい体に変態しつつあります。ぼんやりとしていた細部のあしや羽の形がくっきりしてきています。複眼が出きてました!
⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎
かいこ飼育日記(37日目)
糸を吐き終わって3日後位のかいこです。繭の中で一回脱皮し、すっかり蛹の体になっています。脱いだ皮が体の横にあって、なんだか律儀な感じがします。
色が薄〜濃茶色に変わっていくそうですが、2日経っても微かな変化しか見られません。触るとビョコビョコ動きます。
開いてから2日目には、1頭がひっくり返っていました。写真は背中側。
繭は良く切れるハサミでも、かなり固く、厚紙を切っている感覚です。あの細い糸の集積で…と驚きました。
かいこ飼育日記(30日目)
9/24 '17 (30日目)かいこは、Sや8の字を描きながら繭を作ります。「カイコの豆博士」の本にあった、吐糸の観察方法をやってみました。繭を作り始めて1日位たった繭を、かいこに傷をつけないように気をつけながら、穴を開けます。かなり緊張しました。
そして、ガラス板を乗っけると本にはあるのですが、私は塩ビ板を使ったら軽いので、かいこが頭でどかしてしまいます。
丸い繭も転がるので、鉛筆で抑えて。塩ビ板もマスキングテープで止めたら、無駄にカラフルになりました。
家族が寝静まっている早朝に、とてもきれいなものを観察できました。
⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎