日記・繭の記憶/Cocoon Memories

アーティスト荒木珠奈の2018年夏予定の展覧会(インプリントまちだ@町田市国際版画美術館)にむけて、蚕を飼ったり、制作準備等の記録です。

かいこ飼育日記(26日目)

 

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9/18 '17 (26日目)あと1~2日で繭作りに入るのではないか思われます。まぶし(かいこが繭を作る枠)を作らないといけません。今日の時点では、まだ糸を吐きたそうな様子は見えません。

ちょっとした実験。3~4センチ離して新しい桑を置いたら気がつくか…をしました。桑をかなり食い尽くして新しい葉が欲しい時です。すぐに近くの数頭がざわついて、頭を延ばし、2分位で最初の一頭が到達しました。

1日に25枚位の葉を3回は食べ尽くすので、えさやりもなかなか大変です。フンも計量カップに1杯程の量を、毎日捨てている気がします。

足。茎だけになった桑を、しっかりと掴んでる様が可愛らしいです。特に一番後ろの足ががっちり掴んでいます。

⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎

 

かいこ飼育日記(24日目)

 
画像に含まれている可能性があるもの:植物、花、自然、屋外
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9/16 '17(24日目)かいこ達の食欲はすごくて、ぽってりと太って、持ち重りします。体長約7.5cm。

上・日本で見付けた桑の木の写真。実が虫みたいでかわいいです。子供の時は、小学校の校庭にあった桑の実をよく食べました。アメリカでは、白い桑の実のドライフルーツをよく見ます。というか、紫の実のドライフルーツは見た事ないような? 
桑の実には様々な栄養素があり、なかでもビタミンCがドライフルーツになると130%とか、鉄分20%とか!
そして漢方として古くから使われてきた桑の葉の方には、カルシウム、ナトリウム、ビタミンB1など栄養豊富なんだそう。

和紙の製造に使われるコウゾの木は、実はクワ科の植物です。葉がよく似ているので、私の愛読している「カイコの豆博士」には、コウゾと桑の見分け方が図解してあります。
下・コウゾの木の実。(ネットから借用)オレンジの丸い実がとっても可愛いけれど、舌触りが悪く食用に向かないんだとか。そして、和紙で有名なコウゾと同じ種類だけあって、桑でも紙が作れるそうです。子供とやってみたくなりました。

⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎

かいこ飼育日記(22日目)

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(22日目)朝5時、かいこ達は桑を筋だけ残して食べつくしていました!かいこは5令の間に、幼虫期間中に食べる量のおよそ87〜88%を食べるんだそうです。桑不足にならないように気をつけます。
ここ数日、近所の桑の大木から葉を取ってくるようになりました。ここのは葉が固くて大きいですが、今までの低木がかなりはげてきてしまって、これ以上は無理な感じになったので。

ママ友さんとかいこの事を話していたら、彼女の旧姓はなんと「桑畑」さんでした!おじいさんの代まで鹿児島で養蚕をしていたそうです。「蚕をしていた、というか蚕しかしていなかった!」と。
台湾出身のママ友さんは、子供時代に台湾の学校で育てたのを思い出して懐かしい〜と。台湾の子供達も蚕飼育の体験をすると知れて嬉しかったのです。

⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎

かいこ飼育日記(19日目)

 
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9/11 '17 (19日目)4頭を残し、全部が5令になりました。
かいこの幼虫の体。頭に見えるのは胸で、体の横にある黒い楕円形の模様が気門。片側に9個づつ、全部で18個の気門で、呼吸しているんだそうです。
眼のように見える模様は、眼状斑紋という模様です。
体の中は、ほとんどが腸。そして絹糸腺があります。

図像はカイコの豆博士/小泉勝夫著より

⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎

かいこ飼育日記(18日目)

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9/10 '17(18日目)昨日、眠状態のかいこ達を観察していたら、目のように見える模様が大きいかいこが1頭いました。グレーの部分が大きいので、具合が悪いのか?と見ていたら、それは脱皮が始まったしるしでした。下と上の皮で模様がずれているので、大きく見えるのです。微妙な動きをして、頭から皮を脱ごうとがんばってる感じがしました。
今朝は、頭から全身の脱皮をする場面を観察できました!連続写真でどうぞ。(注・眠状態のかいこは食べないので、葉っぱが乾いていますが、脱皮後は新しい葉をあげています)
脱皮を終えて5令になったかいこ達は、食べる勢いが違います。
⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎
 
 
 





 

 
 
 

 

 

 

 

 

 

かいこ飼育日記(17日目)

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9/8 '17 (17日目)昨日、ケースの壁面に登り糸を吐き始めていたかいこがいたので、気になっていました。夜にはかなりの数のかいこ達が、眠に入ったようで食べていません。
他にも数頭が糸を吐いていたので、自分の脱皮の回数の数えまちがいか…と少し焦りました。検索してわかったのは、4眠に入るかいこは足元に糸を吐き、その上で脱皮するんだそうです。小学生の時、育てたはずなのにすっかり忘れてました。

前にかいこを3頭あげた友人からも「1頭がお尻から糸を出してる!枠を作るんだよね!?」とメッセージがきました。糸を吐くのは口なんですけどね…

⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎

かいこ飼育日記(14日目)

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(14日目)4令になってからモリモリと食べています。

中国から日本へ伝わってきた養蚕。技術改良と開国をへて、横浜港から良質な絹糸が輸出されるようになりました。養蚕農家の多かった八王子から横浜までは、日本の「絹の道」(シルクロード)と呼ばれ、明治時代には最盛を迎え、絹糸はなんと日本一の輸出品であったそうです。人々は生糸を、人力や馬に乗せ、絹の道を運びました。当時、フランスやイタリアでも養蚕は盛んだったそうですが、病気で蚕が全滅。中国もアヘン戦争の影響でダメ。という事情も手伝って、日本からの生糸が買われました。
そして明治22年にこのルートに鉄道が敷かれた頃から、八王子から横浜までの「絹の道」は衰退していったそうです。

⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎