日記・繭の記憶/Cocoon Memories

アーティスト荒木珠奈の2018年夏予定の展覧会(インプリントまちだ@町田市国際版画美術館)にむけて、蚕を飼ったり、制作準備等の記録です。

版画芸術と、学芸員トーク(8/18・土)

版画芸術180号のフォーカス・アイに掲載していただいています。

版画作品の画像12点と、2012年のインスタレーション作品「見えない」の画像と、テキストで6ページにわたり掲載されています。

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「生(き)の感覚、生(せい)のマチエール」と題した原稿を書いたのは、町田市国際版画美術館の学芸員、藤村拓也さんです。今回の「インプリント町田2018 記憶の繭を紡ぐ」展の担当です。素敵なテキストですので、作品と合わせてぜひ読んでいただきたいです。

版画芸術は、アマゾンやこちらのサイトでも注文できます。

 

そして、町田市国際版画美術館では、藤村拓也さんによる「担当学芸員によるギャラリートーク」が、8月18日(土)14時から開催されます。藤村さんのお話を聞きながら、展覧会を観てまわれるチャンスです。

ぜひ、ご参加ください!(要観覧券、申し込み不要)

 

⭐︎2018年6/30~9/2「インプリントまちだ展2018」荒木珠奈 記憶の繭を紡ぐ 町田市立国際版画美術館にて開催中!

”記憶の繭(まゆ)をつくる” ワークショップ 町田市立第三小学校編

7月4日に町田市立第三小学校にて、”記憶の繭(まゆ)をつくる” ワークショップ をしました。参加してくれたのは3年生の54人、2学期に蚕を育てた学年です。

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まずは、画像を見せながら、ニューヨークで蚕を育てた事や、私の過去の作品についてお話ししました。作品についても、興味深く見てくれました。そして「虹蛇」という作品について説明している時、男の子が大きな声で「よく、考えられた作品だ‼︎」と言ったのが、個人的に面白かったです。ありがとうございます。笑

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次は、みんなが持ってきた「大切にしていたもの」について、短い文章を紙に書きました。いつ、どんな、だれと…思い出しながら書きました。

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制作の手順を説明した後は、実際の制作です。まず、思い出の品を薄紙で包んだ後に、白い様々な素材の毛糸やリボンを選び、巻いていきました。

ほどけないように巻いていくのは、意外と難しいもので、みんな無心になります。

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最後には54個の、白くてコロコロした繭ができあがりました。

中身が見えなくなった繭を見て、みんなはどんな事を感じたのでしょうか。また、毛糸をほどいて「大切にしていたもの」と再会した時、どんな気持ちになるのでしょうか。

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このワークショップで出来上がった作品たちは、町田市立国際版画美術館の2階のロビーで展示されています(9/2まで)

まぶし(蚕が繭をつくるための枠)に入った繭のように展示してあります。まぶしに入れたいというのは私のアイデアでしたが、それを実現するために学芸員さんがちょうど良い棚を探し出し、テグスで浮くように工夫、まるで本当に蚕が繭を作ったかのようになっています。窓の外の緑にも映え、素敵な空間になっています。

展覧会をご覧の際は、こちらもぜひご覧ください!

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⭐︎2018年6/30~9/2「インプリントまちだ展2018」荒木珠奈 記憶の繭を紡ぐ 町田市立国際版画美術館にて開催中!

 

 

 

 

 

蚕と昔話

[7/25・水] 美術館でおはなし会―絵本と語りの時間
@町田市立国際版画美術館

蚕にまつわる昔話、伝説を選んで読み聞かせと紙芝居の両方でしてくれるそうです!

「おはなし はすの実」の方々とご挨拶しましたが、私も初めて聞く昔話や、地元のお話を準備してくださっていました。
また、展示室内、インスタレーション作品の側でのお話会で、貴重な機会ですので是非ご参加ください。

インプリントまちだ展2018
荒木珠奈ー記憶の繭を紡ぐー展@町田市立国際版画美術館

語り手:おはなし はすの実
7月25日(水)、8月25日(土) 各日14:00から30分程度
会場:企画展示室2
※定員15名(申込不要)
※本展観覧券をご用意のうえ、企画展示室2の入口にお集まりください。

 

写真は、蚕の昔話として代表的なもののひとつ、遠野の「おしらさま」。

"おしらさま"(東北・遠野の民話)菊池敬一・文 丸木俊・絵 小峰書店

白い馬と娘の悲しい恋の顛末が、人々に蚕をもたらし、馬型と人型の神様「おしらさま」が生まれたというお話です。

 

余談ですが、この絵本はアマゾンで購入したのですが、なんと「原爆の図」で有名な丸木俊さん(絵)のサイン本でした!

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”記憶の繭(まゆ)をつくる” プレワークショップご報告

インプリントまちだ展2018の関連企画で、3/30にプレ・ワークショップを開催しました。

「記憶の繭(まゆ)をつくる」

2018年3月30日(金)午後1:30~4:00 町田市国際版画美術館講堂

「絹糸を吐き出し繭をつくる蚕にならって、思い出のつまった繭を作ります。」

という内容で、5歳〜小学6年生とそのお母さん達が参加してくれました。

 

最初にこれまでの荒木の作品紹介、そして昨夏に蚕を飼った記録などを見てもらい、実物の繭や蚕蛾、繭からひいた糸も触って見てもらいました。

次に、美術館スタッフから町田市で数年前まで養蚕をしていた農家さんへ見学に行った時の写真や、昔の写真などを見せてもらいました。日本で養蚕がとても盛んで、蚕が人々の生活に身近だった頃のお話を聞きました。

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休憩を挟んだ後は、さっそく制作です。

手のひらで包めるサイズの、思い出のある物を家から持ってきてもらいました。

それぞれに、どんな思い出があるのか気になります。

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どんな思い出がある物なのか、短い文章を書いてもらいました。

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包む材料は、毛糸やリボンなど。日本とアメリカで集めた毛糸やリボンなどで、色は白〜生成りでした。

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違う種類の毛糸やリボンを選び、それらを結んでつなげる事、角度を変えながら全体を巻いていく事を工夫しながら…結構、無心になります。

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完成しました!

コロンと丸っこい「記憶の繭」になった物たちが、より愛おしく見えます。

糸をほどいてみたいのはいつ?と聞いたら「10年後」とか「来週!」とか、それぞれで面白かったです。

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ご参加ありがとうございました!

出来上がった作品たちは、美術館でお預かりしています。美術館のどこかに展示される予定ですので、展示されたらぜひまた見に来ていただきたいです。

 

⭐︎2018年6/30~9/2「インプリントまちだ展2018」荒木珠奈 記憶の繭を紡ぐ 町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎

 

 

 

 

 

 

インプリントまちだ展2018 プレ・ワークショップ参加者募集

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インプリントまちだ展2018の関連企画で、プレ・ワークショップを開催します。

「記憶の繭(まゆ)をつくる」

2018年3月30日(金)午後1:30~4:00 町田市国際版画美術館講堂

絹糸を吐き出し繭をつくる蚕にならって、思い出のつまった繭を作ります。

自分の思い出のある物を持ってきてもらい、毛糸やひもを使ってクルクルと包んでいきます。

5歳から小学6年生までとその保護者が対象。定員18名。

お申し込みは3月12日まで、下記リンク先のメールフォームからできます。

ぜひ、ご参加ください!

 

 

hanga-museum.jp

⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎

 

繭玉飾り、(ひとり)どんと焼き

小正月の頃、日本の様々な地方で繭玉飾りがつくられます。養蚕が盛んだった時代には

、豊蚕を祈ってつくられたそうです。

現在ではそのお餅を焼いて食べると無病息災といわれ、去年のだるまさんやお札などを焼く、どんと焼きの火であぶって食べます。

私の地元の多摩地区でも行われているのに、実際には見たことがなかった繭玉飾り。アメリカ在住で行くことができないので、自分で作ってみることにしました。

ホームベーカリーで作ってあったお餅を蒸しなおし、繭型にして、拾ってきた枝につけました。乾いていないお餅は結構重く、バランスがとても悪いです。枝が倒れないようにするために、花瓶の方を重くして倒れないようにしました。実際は、臼の真ん中の穴に差すことが多いようです。

 

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下の写真は、羽村市郷土資料館からお借りしました。地方によって、みかんを付けたり、根元に大きな団子を差したり、だるまを置いたりするようです。羽村市は、絹糸をかけるところが変わってます。

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見慣れすぎてルーツを考えたことがなかった、この手の飾りも繭玉(餅花)だったのですね。

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そして1週間後の、(ひとり)どんと焼きです。火がガス台なのが残念なのですが…

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⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎

糸引き

子供と私が年末の休みに入った頃、蚕の繭から糸を引いてみました。

糸引きに使う繭は、蛾が羽化する前に冷凍庫にいれておきました。蛾が羽化をして、繭に穴を開けてしまうと、その繭からは糸引きができないそうなのです。

 

夏にうちから蚕を分けて、同時期に育てた2家族と一緒にやりました。子供も5人いて賑やかでした。

まず、糸引きの装置を作ります。材料は、段ボール、はり金ハンガー、ペットボトル、割り箸です。装置作りは、親達で。ここ数年、夏に一緒に牛乳パック製の流しそうめんを楽しんでいる友人たちです。自分の手で作って楽しむ事が好きな人達なので、あーだこーだと改良しながら、楽しく作りました。ポイントは、人参をハンドルにつけた事です。針金のハンドルよりもオーガニックな手触り。断然持ちやすくなりました!

出来上がった頃、子供達も集まってきて糸巻きを触り、糸を引きました。

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繭はお湯で5分間煮ます。繭の表面をブラシで触ると、糸口が引っかかってきます。その糸を、ペットボトルにかけて巻き取っていきます。糸を引いていくと、繭はお湯の中でコロコロと回ります。

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蚕は約1500mの1本の糸で繭を作ります。細い糸なのに、なかなか切れません。美しく輝く糸が取れました。この1本の糸を取る事を「糸を引く」、繭10〜20個分撚り合わせる事を「糸を繰る」というそうです。明治期より、この作業は機械化されています。

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小学生の時に、授業で蚕を飼い、その後糸引きをした事を思い出しました。宿題で、糸繰り機を作って持ってくるようにとの事で、私は父に相談して作りました。

というか、ほとんど父が考えて作りました。木の糸巻きを再利用して、針金のハンドル付きで、翌日学校に持っていくと、他の子のより断然出来がよく、親が手伝ったのは明らかな感じでした。でも結局は、糸巻きに上手く糸を巻く事ができず、芯の針金部分に巻きついてしまったりして「父の作るものはいつも凝っているけれど、あまり実用的でない…」と思ったのを覚えています。

 

 

糸繰り機の作り方は「カイコの豆博士」小泉勝夫著 を参考にしました。

 

⭐︎2018年夏「インプリントまちだ展2018」町田市立国際版画美術館にて開催予定⭐︎